今年観てよかった映画を振り返るやつです。
たぶん年内にはもう新しく観ない気がするので。
「マリグナント 狂暴な悪夢」
ふちかわさんが観て「よかった」と言っていたので、気になっていた作品。
元々ホラーが苦手なのでちょっとどうかなとも思ったのだけれど、ホラーというよりもストーリーがおもしろいとも聞いたので観てみた。
実際見た感覚としては、確かにホラー的な要素はあるのだけれどそれはメインではなくて、ストーリーがめちゃくちゃおもしろい。
驚きの展開や洋物っぽいド派手なアクションがあり、ラストには個人的には結構好きな展開もあったり。
ホラーには分類されるかもしれないけれど、そんなに尾を引く怖さではないので、お話のおもしろさが興味あればホラー苦手でも観ていいと思う。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -」
原作全部読んで、アニメも観たので。
前半パートのイザベラとの物語は原作にもあるお話で、かなりしっかりアニメで昇華させたなという印象。
一方で後半パートのテイラーとの物語は映画オリジナルの展開で、これが加わることによってめちゃくちゃ作品としての完成度を上げてきたなという。
ヴァイオレットのもとに押しかけてきたテイラーのキャラクターがとっても良くて、観ていて楽しかった。
そりゃああの最後の展開も、泣けるよなあ……。
「シン・ウルトラマン」
庵野秀明監督の空想特撮映画。
シンゴジラみたいな感じなのかなと勝手にイメージして観に行ったら、シンゴジよりもちょっとコミカルでおもしろかった。
今までのウルトラマンがどうこうっていうか、「庵野のウルトラマンはこれじゃ!」という強さがあった。
謎の長澤まさみへのセクハラの数々。おもしろかったからいいけども。
ザラブ星人やメフィラス星人などの、敵キャラも魅力的なのがいいよね。
最初のウルトラQの曲に乗せてめちゃくちゃハイテンポでいろんな怪獣が出たり退治されたりしているの、オタクは好きだよな〜悔しいでも感じちゃう。
キャラやワードや雰囲気ひとつひとつにおもしろさ、ネタにして語れてしまう要素の強さがあって、かなり理想的な作品作りしてるよなと思った。
「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
全編オリジナルストーリーでの、ヴァイオレット・エヴァーガーデン完結編。
原作はあまりにも硝煙臭すぎるので、こういう終わり方もいいんじゃないだろうか。
冒頭で原作アニメ通じて最強の泣きエピソードをぶち込んでくるのは、ただただずるい。映画とは関係なくあそこで1回泣いてしまうから。
手紙という媒体から、新しい通信手段としての電話や電波塔などの次世代への移行を象徴的に登場させて、自動手記人形としてのヴァイオレットの物語を閉じさせるのは上手すぎると思った。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンはともすれば無限にやれてしまう設定の作品なので、それをこうも見事にスパッと完結させる完結編を作り上げたのは本当に凄いし鮮やかだった。
「アキラ AKIRA」
1988年のアニメってマジ???って感じ。
時代に対して映像のかっこよさが凄まじくて、ちょっと引いてしまう。
アキラってどういう意味なんだよってずっと思ってたけど、アキラってそういう意味なんだ。
さんをつけろよデコスケ野郎のシーンを観れてよかった。
「夏へのトンネル、さよならの出口」
元々原作が好きだったのだけれど、めちゃくちゃ綺麗に映像化してくれてかなり良かった。
中に入ると時間の流れが早くなってしまう不思議なトンネルを舞台にした青春劇で、トンネルの映像的な演出が美しくて印象的。
塔野くんの声優があんまり評判よくないみたいな話も聞いたのだけれど、個人的に塔野は(特に作品中で描かれている時期は)そんなに感情を出す方ではないので、ああいう淡々とした喋り方嫌いではない。
塔野からのメッセージを受け取った花城が、夢に向かって進んでいく流れは本当に良い。
「沈黙のパレード」
個人的には、今年観た映画の中での一番良かった作品がこれです。
元々ガリレオシリーズは好きだったのだけれど、この作品はドラマとしてのシナリオも、ミステリとしてのトリックも、何より役者の演技の味わいもめちゃくちゃ良かった。
東野圭吾さんの作品って、悪役が常軌を逸したレベルで悪役なので、めちゃくちゃ絶望的な気分にさせられる。
この作品はまだ原作を読めていないので、改めて読むのが楽しみ。
「沈黙のパレード」というタイトルから象徴的な存在なので気持ちは分かるのだけれど、湯川先生がへらへら笑いながらパレードを観ている時間がなんか謎に長くてそこだけはちょっと気になった。
「すずめの戸締り」
2回観た。
絶対観ると決め打ちで行ったので、ロードムービーなこととか椅子のこととか全く知らなかったので、かなり新鮮に楽しめた。
すずめが向かった先々での人たちとの交流がおもしろかったし、自分はもしかしたらロードムービーが好きなのかもしれない。
今の自分の力では乗り越えられない大きな壁にぶつかって、それでも諦めずにもう一度挑んでいく物語は、そりゃあ大好きだよな。
自分は察しが悪いので、作中で明らかになるまですずめの過去について気づくことはできなかったのだけれど、それが明かされた時は心臓がキュッとなるくらい息を呑んだ。
いろいろと理解した上で観る2回目は、あそこにも伏線あったな〜とかここですずめはこう考えてたんだな〜とか、いろいろ気づきもあってよかった。
「THE FIRST SLAM DUNK」
前評判の悪さに対して、良すぎた。
敢えてプロモ方法に則って自分も作品の中身について深くは触れないようにするけれど、少なくとも個人的な感想としては「スラムダンクが好きだった人は絶対に観てほしい。スラムダンクが好きだった人が一度観るのが大前提として、その上で、おもしろかったと興奮したり、そうでもなかったなと忘れたりを選択するべき作品」だと思った。
要するにスラムダンク好きだったらたとえ観てつまんないなと思うことになったとしても、一度観ておく経験にこそ価値がある。観てください。
冒頭のOPめちゃくちゃかっこいいから、そこはスラダン好き全てに共通して楽しめるはず。
「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ」
アインクラッド第5層の物語。
1作目の「星なき夜のアリア」でアスナを主人公に据えてオリキャラ・ミトを交えてまったく新しい作品として再構築した衝撃に比べると、比較的おとなしめにおさまってしまったかなという印象もある。
それはそれとしてSAOプログレッシブを劇場版でやってくれるのは嬉しいし、やっぱりかっこいいしおもしろい。
この作品ではアルゴが本格的に話に絡んできて、かわいくてよかった。