渋谷パルコにある、ジビエ料理と昆虫食のお店「米とサーカス」に行ってきた。
同行者はoさんと羊狩りさんで、ちょっと用事があった俺はふたりから遅れて合流した。
入ってすぐに飲み物で虫糞茶というものを勧められて、普通に断って烏龍茶を頼んだ。
なんや虫の糞とか飲めるわけないやろと思ってたけど、コピ・ルアク(ジャコウネコの糞から採取された未消化のコーヒー豆。腸内発酵で独特の香味が加わるとかで、世界で最も高価なコーヒーらしい)みたいなもんだと言われて、じゃあ飲んでみてもよかったかなとは思った。いやでも猫と虫とではまた話が違ってくるだろ。
以下、写真があるので、昆虫食とかに抵抗がある方はご注意ください。
これはそのままだと記事のトップ画像があれになっちゃうことに気づいて、急遽ワンクッション入れるために貼り付けた料理をするキノ。
お通しの雀の丸焼き。
骨まで食べられるので丸ごといっちゃっていいらしい。
食べた感想としては、「ケンタッキーのフライドチキンの小骨とか軟骨とかのあたりまでいやしくしゃぶってる時の味」だった。
とにかく骨が鋭くて、さっそく足の骨が歯と歯の間に引っかかって、危うく今日の食事をこの後ずっと雀と共にする羽目になりかけた。
鮫の唐揚げ。
羊狩りさんに「みんなレモンかけていい人?」と言いながらレモンかけてて、「実はレモンアレルギーで……」と後から言ったら、「だとしたらもっと強めに止めろ」と言われた。(※レモンアレルギーではない)
6等分したうち、腹部と尾部を食べた。
水分が多い魚の唐揚げという感じで、ワタの味わいがしっかりある。
フジツボ。高級食材らしい。
殻の中に爪楊枝を突っ込んで、掘り出して食べる。ただし他の貝類と違ってツルッと出てこないので注意。
味はめちゃくちゃ美味しい。磯の風味がたっぷり感じられて、これを出汁にした味噌汁とか食べたい。
ただいかんせん食いにくさが勝つ上に、可食部も少ない。フジツボを食って得られるカロリーと、フジツボを苦労してほじくり出すエネルギーがトントンくらい。
フジツボがもっとポピュラーな食材になったら、殻を叩き割るみたいな感じでもっと食べやすい技術が出てきそう。
この殻の穴から覗いてるヤツをほじくり出して食べる。
フライド鰐手羽。これは後ろ足らしい。
実は俺が到着した時点でふたりがあらかた注文し終わっていて、「このあとかなりたくさんくるから、もう追加注文できる余地は残っていない」みたいな感じだったのだけれど、メニュー表をめくってこれがあることに気づいて、「最悪俺が払って俺が食うから、これだけは頼ませてくれ」と無理を言って追加注文させてもらった。
元々こういう珍味系のお店に来るにあたって事前にどんなメニューがあるのか調べていた中で、俺が一番食べたいと思っていた料理こそ、このワニの手だったのだ。
とにかく見た目のインパクトも凄まじい上に、食いでもありそうだし、こういうお店にまた来る機会があるかどうかも怪しいので、ここはもう自分の食べてみたさを押し通してわがままを言わせてもらった感じ。
で、来たのがこれなのだけれど、まずやっぱり見た目のインパクトがでかいのと、結構サイズ感もあってテーブルのテンションが一気に上がった。
フライドチキンみたいにL字型に骨が入っているので、その周りの肉を取り分け用のハサミでこそぎ落としながら食べる。
手のところに残された皮も食べられるけれど、店長曰く味としてはお勧めしない。ただ皮の下の肉は食べられるし、そこは美味とのこと。
揚げたてのフライド手羽だったので熱い熱いと騒ぎながら苦労して何切れか肉をちぎり、食べる。
美味い!!! めちゃくちゃ美味い。ワニにしてはとか珍味にしてはとかいうレベルじゃなく、ちゃんと一品料理として美味い。
無理を言って注文させてもらって本当によかった。
手の方の肉はゼラチン質な感じになっていて、こっちも美味い。皮は食べてみるとかなりブヨブヨしている感じ。
最終的には程よく冷めてきた頃に、各関節ごとで捻り切って、ケンタッキーのフライドチキンみたいにしゃぶりついて食べた。
今日食べたメニューの中でリピートしたいメニューを聞かれたらダントツでこれ。
肉の盛り合わせ。
鴨、穴熊、兎、鰐、猪、駝鳥(ダチョウ)、鹿、長尾驢(カンガルー)。
こうして食べ比べてみると結構いろいろ違うがあることがわかる。
穴熊はとにかく脂身が凄くて、凄く美味しいけど一気に胸焼けしそうで2切れ目はいらないかな……みたいな感じ。
カンガルーはけっこう肉がしまっている感じで美味しい。兎はさらに肉がしまってて、ちょっと淡白な感じ。
鰐はどこの部位なのかはわからないけど、ジューシーな手の肉とはまた違った感じ。
この食べ比べは美味しいのとあとふつうに楽しかったので、機会があればまたやってみたいと思う。
以前食べたウミガメのスープとちょっと味が違うような気がしたけど、まあそんなもんなのかなと思った。
黒いやつは脂身らしい。あとは身とかホルモンとか。スープが美味しい。
虫セット。手前から時計回りに、蜂の子、マゴット、イナゴ、ハニーワーム、コオロギ。真ん中がタガメ。
俺はジビエとか爬虫類とかの珍味は好きというか楽しみにしていたけど、虫はNGなので虫は食べないと言ってたのだけれど、着いたら頼んであった。
俺が遅れて合流する都合から、出来立てが美味しいものの提供を後回しにしてもらっていたらしいのだけれど、そうすると最終盤に出てきたこの虫はできたてが美味しいらしい。
以下、抵抗感の少ないものから順に食べていっての感想。
蜂の子。食べられる虫として有名だし、食べたことは無いけどおじいちゃんが食べてるところを見たことがあるので、あんまり抵抗感はない。ただ噛んだ瞬間口の中にふわっと甘みが広がって、「うわあ」とはなった。
コオロギ。コオロギも食べられる虫として有名……というか1500の準優勝の賞品としてKキチさんがもらっていた。食べた感想としては、桜海老。この虫たちの中ではいちばん美味しかった。食用コオロギはもっと食卓に普及してもいいと思う。
イナゴ。食べたことは無いけど、イナゴの佃煮があることは知ってるので、まあ。サイズがそんなに大きく無いので、問題なく食べられた。
ここまでは大した抵抗感もなく、問題はここから。
マゴット。要するに蛆虫。サイズが小さいのが救いか。もうここまで来ると虫感も薄いので、なんとか食べられる。ぷちぷちしてる。あとでマゴットについて調べようと思って画像検索したら、思ってたのと違う角度からダメージを喰らう。
ハニーワーム。いちばんきつい。レプタイルズワールドとかで生きてる状態のものを見たことがあるのも手伝って、もう完全に虫じゃんの感覚。散々躊躇った後、一息に食べる。食べてしまえば、まあ……。
タガメ。周りを切り崩している間に、目が慣れてきた。ただひっくり返すと完全に虫。
手でいっちゃっていいすか、といきたいところだが、タガメだけは丸齧りができなくて、ちゃんと解体して食べないといけない。oさんが説明書に沿ってタガメを解体している動画を撮ったので、見たい人は言ってください。
中を開けると薄緑色の……なに? なんていうか、なにか、とにかく体内の何かが出てきて、それをスプーンで掻き出して食べるらしい。正直ハニーワームなんて目じゃ無いくらいにいちばん見た目がやばかった。
oさんがタガメを解体して中を匂うと、こちらに「ちょっと嗅いでみろ」と言ってきて、何かと思って嗅いでみると青リンゴの香りだった。タガメはメスを呼び寄せるためのフェロモンを放っていて、それが爽やかな青リンゴの香りをしているらしい。
タガメには当たり外れがあって、要するに人間で言うところのイケメンブサイクがあるらしく、この日のタガメはめちゃくちゃ青リンゴの香りがするイケメン野郎だった。
その後スプーンで中を掻き出して食べた。俺はしんどすぎて耳かきひと匙ぶんくらいだけもらった。
こちら8月7日に開催予定の大喜利会です。
要するに変なお題ばかりを1日たくさんやって、その中で優勝者を決める感じの会になります。
趣旨の通り変わった会ではありますが、まだ余裕がありますので、何卒ご参加いただければ幸いです……。